仏壇を置く方角や置き場所についての注意点
❶仏壇は方角をしっかりと決めてから置く
新しく仏壇を購入する時や、違う部屋に移動させたい時に、置き場所や方角について気にする人は多いものです。
仏壇は仏様やご先祖様をお祭りしている大切なものであることから、宗教や宗派、部屋にあった方角をしっかりと決めてから置く必要があります。
以前はどの家にも仏間があり、仏壇を設置する向きについてそれほど考えることはなかったでしょう。
しかし現在の住宅事情を考えた場合、和室がない家も多くあり、このような場合にはどこに設置すればよいのか悩んでしまう人も多いものです。
置くときの向きについては宗教や宗派の考え方によりさまざまで、それぞれに意味を持っています。
そのためそれぞれの方角が持つ意味をはじめとし、宗教や宗派、部屋にあった場所についてしっかりと把握しておく必要があります。
自分の家の仏壇にとって最適な場所を選ぶことが重要です。
まずは方角についての考え方として、北向きを避けることが挙げられます。
これは南に向けて北を背にして設置する南面北座説と呼ばれるものです。
直射日光が当たらずに風通し良いので、自宅の中では最適な設置場所とされている考え方の一つです。
次に本山中心説と呼ばれるもので、これは座って拝む際に拝む延長線上に信仰する宗派の総本山がある方向に設置する考え方です。
結果として本山や住む場所により東向きにも西向きにも、さらには南向きにも選ぶことになるでしょう。
そして西方浄土説と呼ばれるものもあります。
東に向けて設置することにより拝むたびに西方極楽浄土があると考えられている西の方に向って拝むことになる考え方です。
西方浄土の場合には、極楽浄土西方浄土の方向でもある西に向いて拝み、東向きに設置されます。
浄土真宗や天台宗、浄土宗などはこの考えに基づいて設置する方角を決めることとなるでしょう。
❷それぞれの宗派の特徴を把握しておくこと
宗派によりおすすめの向きや方向があり、それぞれの宗派の特徴を把握しておくことも大切です。
曹洞宗や臨済宗は南向きに置く南面北座説がすすめられています。
これはお釈迦様が説法する際に南向きに座っていたからと言われています。
浄土真宗や浄土宗、天台宗の三つの宗派については、御本尊に阿弥陀如来をまつっていることになります。
阿弥陀如来は西方浄土にいるといわれているので、その方向に向かい祈ることから東向きがよいと言われています。
日蓮宗については置く場所に特に決まった方角はありません。
そのため自由に置いて構わないでしょう。
自由においてもよいとは言われたとしても、仏壇を置くのに適した部屋が存在しています。
一つは床の間があるような場所であり、床の間があれば家の中では最も立派で、お客様を通す部屋に置くものと言えるでしょう。
もう一つが普段家族が多く集まるリビングや茶の間のような部屋です。
これらの部屋は奥のには適した部屋であるといえます。
洋室のリビングに置くのであれば、モダンな造りで部屋の床の色と相性の良い色合いや素材のものを選ぶことで違和感を生じることはないでしょう。
しかし日当たりの良い窓側に設置することは傷みの原因となるため避けることをお勧めします。
食事を楽しむダイニングに設置することは、ご先祖様にとっても心地の良い場所となることでしょう。
❸書斎は静かで落ち着いた場所で設置場所としても適している
床やテーブルの色、ダイニングの雰囲気に合わせて選ぶことをお勧めします。
ダイニングの場合にもリビングと同じように、日当たりが良い窓側に設置することはやめましょう。
どこよりもご先祖様とゆっくりお話しをすることができるのが書斎です。
静かで落ち着いた場所なので、設置場所としても適しているといえるでしょう。
書斎に設置するのであれば部屋の広さとのバランスを考えた上で設置を考えましょう。
反対に置くのに適さない場所としては、御本尊やご先祖様の位牌の安置場所であり、繊細な細工が施してある木製の工芸品でもある仏壇が傷みやすい場所です。
たとえをあげるのであれば直射日光が当たる場所や湿気の多い所、冷蔵庫や電子レンジなどの家電製品の上や、振動が伝わりやすいテレビやオーディオ機器などの上などです。これらの場所については避けた方がよいでしょう。
そしていくつかの気をつけるポイントがあります。
まずは設置した際の御本尊の高さに気をつけましょう。
座ってお参りする場合には、御本尊が目線よりもやや上にくるように意識しましょう。
立ってお参りするのであれば御本尊が胸の高さよりも上になるように設置することが求められます。
間違っても御本尊を見おろして拝むことがないように背の低いタイプを選ぶ場合には、床に直接おくようなことをせずに、机や台の上などに載せて安置する必要があります。
もしも部屋に神棚があるのであれば、神棚とは向かい合わせにならないように配置することに気をつけましょう。
これは片方を拝む場合に、片方に背を向けることになるからです。
神棚と同じ向きに置くのであれば、神棚の真下に来ないようにずらして暗示します。
最終更新日 2025年7月8日 by mdchiefs