産業医とはどの様な職業か

私達が生活をするためにはお金が必要です。
したがって、そのために仕事などを行うということになるわけですが、仕事というものにさまざまなものがあり、幾つかの視点から分類することができます。
一つは軽い労働であるもので、その対極にあるものが重労働であるという風に言えます。
別の表現としては、頭脳労働と肉体労働という風に分けることもできます。
このように、仕事といっても様々な種類がある訳ですが、その基本となるのは健康で仕事が続けられるということです。
ただ、労働時間というのは自分の都合で決められない場合もあります。

労働安全衛生法という法律

自分の都合が悪い時でも仕事をしなければならないということもあり得る訳です。
多くの人は、そのような時には自分の体を気遣いながら労働を行うということを行なっていきます。
雇用者の側からすると給料を払っているんだから、労働者には働けるだけ働いてほしいというのはあるかもしれませんが、労働者も人間ですからそのような環境で働いていても効率は上がるものではありません。
その様な時にどのような程度労働をしていいかということが問題になってきます。
これは労働を行う方も雇用者の方でも一緒です。
そのような観点から労働安全衛生法という法律ができています。
日本では、この労働安全衛生法に従って雇用者は労働者を使用する必要があるということになっており、この法律に沿わないような雇用の仕方をしては問題があると言われる訳です。
そのようなことから、この労働者の状況というのをこの法律に従ってどうなっているかという事をきちんと調べる必要がある訳です。
その様なところで出てくるのが、産業医と呼ばれる人達です。

参考:産業医の業務内容について

産業医とは?

労働安全衛生法によれば、ある一定規模以上の企業においては、産業用がいなければならないということになっています。
産業医は、労働者が仕事をしている環境や労働時間などについて細かくチェックを行い、色々なアドバイス等を行うという事が仕事となっています。
具体的にどのような仕事があるかというと、ベーシックなものとしては労働者の健康状態を把握ということにあります。
これを行うことによって、労働者がどのような健康状態で仕事をしているかということを明らかにします。
一定規模以上の企業では、定期的に健康診断を行う必要があるとされています。
これが守られないと、雇用者は罰せられるということになります。
別の大きな仕事としては、労働者と面接などを行い直接労働者の健康状況をはっきりさせるというところがあります。
このようなことから、労働環境を適切に保つというような役割も担っています。

雇用者はこの改善勧告に従う必要がある

色々な作業現場に出向き、それが労働者の健康と安全を考えた際に適しているものかどうかということの判断を行い、もしそのような状況にないらば改善勧告を行うということになるわけです。
雇用者はこの改善勧告に従う必要があります。
もしそれができない場合には法律によって罰せられるということになるわけです。
面談と同様に、産業による職場の観察というのも定期的に行われなければならないという風に言われています。
巡察を行った際には、問題点の指摘やそれに対する改善の勧告を行います。
雇用者はそれに対してきちんと改善を行った旨の報告書を出さないといけないということになっています。
いずれの場合にも口頭ではなく、書面によるやり取りが必要となります。

健康意識の醸成

産業医の重要な更に別の仕事のひとつとして、健康意識の醸成というものもあります。
企業内において、労働者や雇用者に対して健康な状態を実現するためにはどのようなことを行ったらいいかということの情宣活動を行う必要があります。
雇用者や労働者は、これに出席をしなければならないわけです。
このようなことがもし行われていない場合には、様々な問題が起きる可能性が大きくなりますので、非常に大切な項目の一つになります。
もしそのようなことがされていない場合には、雇用者が法律で忘れるということにもなります。
更に産業医は、もし事故等が起きた場合には、それがなぜ起きたかということを解明し、再発の防止の対策を採るというような役割も担っています。
医学の専門家の立場から、どのようにしたら健康被害が出ないようにできるかなどについて検討を行う必要がある訳です。
さらにそれに基づいて、再発防止策というのを立案します。
このように様々な面で、労働者の健康を守るというのが一番大きな仕事となります。
面談等については、労働者がその用件がある時に随時訪ねて行って行うことができます。
そのことによって、産業医から雇用者に対して適切な処分を行うように指示をされる訳です。
この指示に対して雇用者は従う必要があります。

まとめ

このように述べると、雇用者と産業医というのが対立関係にあるようにも見られる訳ですが、労働者が健康な状態で働くということは、企業自体の活力にもなるわけで効率を向上させるという意味合いも出てきます。
したがって、労働者の健康管理を行うという事は、職場を好環境にしていくということが共通の目標となりうる訳です。

最終更新日 2025年7月8日 by mdchiefs